心臓病

心臓は血管を通じてすべての臓器とつながっており、 生物の体の中ではまさに中心となる臓器です。 そのような体の中枢を担っている心臓が病的状態になると、 からだ中で血液不足に伴う酸素不足や栄養不足が生じることになります。 その結果、全身で様々な病気が生じることになり、 まさに命に係わる事態となる恐れがあります。  

犬の心臓病

ある報告では犬の心臓病の発生率は10歳以上の犬では10ー20%ほどとされ、その多くは心臓弁膜症のひとつである僧帽弁閉鎖不全症です。犬の寿命が昔よりも延びている現在、心臓病にかかる犬たちは以前よりも増加しています。僧帽弁閉鎖不全症は特に小型犬種で多く発生し、日本の人気犬種トップ10のうち柴犬とフレンチブルドッグ以外はすべて小型犬種であることを考えると、当院を受診される多くの子たちに心臓疾患のリスクがあると言って良いでしょう。 犬の場合、心臓病があっても元気にしていることがほとんどであり、『疲れやすくなる』とか『咳が出る』といった心臓病に起因する症状が認められる場合は、病気はかなり進行してしまっています。心臓病は症状が出る前から治療を行うことで、健康寿命が延びることが分かっております。特にシニア期になってからは、定期的な診察や1日ドックなどを利用して、病気の早期発見ができるように心がけてください。 なお、犬の僧帽弁閉鎖不全症の治療は通常は内服薬による内科治療を行いますが、根治的な治療法として人工心肺を使用した外科手術があります。特殊な手術のため当院では実施できませんので、外科治療をご希望の場合は、当ウルブスハンドのグループ病院の一つである目黒アニマルメディカルセンターなどの手術が実施可能な病院をご紹介させていただきます。

猫の心臓病

近年は犬よりも飼育頭数の多くなっている猫ですが、高齢で心臓病が増える犬とは異なり、若齢時から心臓病を発症することがあります。元々、犬よりも病気になった時に症状を見せにくい猫ですが、心臓病に関しても犬のように『疲れやすくなる』や『咳が出る』といったわかりやすい症状を示すことはまずありません。猫の心臓病は症状を示すことなく進行していき、突然『開口呼吸』、『呼吸困難』、『後肢を痛がって引きずっている』などの症状がみられた場合は、病気がかなり進行していることが多いのです。 猫自身、検査や治療はもちろん、病院に来ること自体が苦手なことが多いのは事実ですが、心臓病になってもなかなか症状を示してくれないからこそ、病気の早期発見のためには、犬以上に各種検査を実施してあげることが重要であるといえます。

エキゾチックアニマルの心臓病

様々なエキゾチックアニマルで心臓病は認められますが、なかでもフェレット、ハムスター、ハリネズミでは比較的発生が多く見られます。エキゾチックアニマルは病気になった時に犬や猫以上に見た目だけでは症状がわかりにくい傾向があります。そのため、少しでも怪しい兆候が見られた場合や、明らかな症状が無い場合でも、定期的な検査を行っていくことをお勧めします。 *犬や猫の場合と異なり、検査に鎮静や全身麻酔が必要になることがあります。また、サイズの関係上、犬と猫で実施可能な検査ができない場合もあります。

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